メインテーマ・基本理念

メインテーマ

基本理念

 世界は2020年に一変し、これまでとは違う生活を余儀なくされ、医療の入口となる救急現場の最前線で戦う救急隊の活動にも困難をもたらしました。

 これまでも、救急業務に従事する我々は日々変化する状況に直面してきました。毎年のように発生している自然災害・局地災害・多数傷病者等の災害や一刻を争う救急現場に臨機応変に対応してきました。これは、一番大切な基本の上に先人からの教え・経験が受け継がれ、それを発展・紡ぐことによって成しえてきたことではないでしょうか。

 全国の救急隊員が「1人でも多くの人の命を救いたい」という強い思いを持ち、傷病者のための最善とは何かを常に考え、我々救急隊員に求められるものにアジャストし、常に、より高く!より上を!目指し、よりよい救命の未来像を探し求めています。

 30回目の節目を迎える「全国救急隊員シンポジウム」は、そうした「救急救命」についての覚悟を再認識できる場所であり続けているといえます。

 その第30回全国救急隊員シンポジウムを高崎市で群馬県との共同主催で開催します。県との共同主催は、初めてのケースとなりますが、今後の開催様式の礎となるようなシンポジウムを開催していきます。

 開催地高崎の名物である「だるま」の広まりは、江戸で痘瘡(天然痘)が流行し邪気除けとして求められたことに由来します。眉毛を「鶴」、鼻から口ひげは「亀」を表現し、縁起物として広く親しまれている高崎だるまは、重心が低く、安定したその姿は、達磨大師が壁に向かって九年間座禅を続けたという逸話をもとに作られており、いかなる困難にもどっしりと構えており、転んでもすぐに起き上がる姿から「七転八起」という精神を反映し、粘り強さを象徴し、あきらめないことの大切さを私たちに教えてくれています。

 メインテーマは、「アジャスト 対応力を磨き救急の未来へと紡ぐ」とさせていただきました。群馬県は絹の名産地であり、「紡ぐ」という言葉は、「繋ぐ」よりも更に強固にすることを意味しています。私達は、現在の多種多様化する救急現場に最も必要とされているものの一つが「アジャストする力、対応する力」ではないかと考えました。救急救命士制度は発足してから30年経ちます。その間、メディカルコントロール体制の整備とともに救急救命士が行う処置も拡大され、病院前救護を担う我々への期待は大きなものとなってきています。災害現場は、一つとして同じものはありません。救急隊員は、確固たる知識と手技・活動力のもと、臨機応変に対応し、傷病者にとって最善の処置・病院選定・搬送をすることが求められています。全国の救急隊員が縁起のいい街・高崎に集い、発表・討議し、臨機応変な対応力を磨き、救急の未来へと紡いでいきます。

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